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Tenmonkan Joint Arcade/天文館アーケード
プロポーザル
2023年3月
鹿児島市
商店街と電車通りの交差点にシンボリックなアーケードを提案した。
ジョイントアーケードを設ける敷地は鹿児島を代表する商業地域の中心地であり、江戸時代に薩摩藩主島津重豪が建てて天文学の研究を行った天文館の名を冠する商店街の軸線(商店街軸)と、鹿児島中央駅へと直線的に伸びる幹線道路と市電軌道の軸線(都市軸)の二つの軸線の交点である。商店街軸が歩行者の動線であるのに対して、都市軸は車や電車の動線であることから、それぞれの視点や通過速度が大きく異なり、二つの軸線に対して異なる設えが必要と考えた。
商店街軸に対しては、天文館アーケード、天文館G3アーケードが二層吹抜けのトップライト付きのアーケードとなっていることから、フラットなガラス屋根でトップライトをつなげることを構想した。高さもG3ゲートに合わせた、高く開放的なガラス屋根である。
一方で都市軸に対しては、車と電車が遠くからこのアーケードにアプローチし、歩行者よりも高速で通過することから、薄く、軽やかで浮遊感のあるプレーンな膜屋根とした。膜面の中央を少しむくり上げることにより、通過する車や電車を迎え入れるような形状とした。
軒の張り出しに対してアーチ材を少し内側に倒し、アーチ材1本に対して2本設けた屋根面の円弧材を吊ることにより、全体のバランスをとった。ガラス屋根面はカットT材を格子に組み、フランジを無くしてシャープなエッジを出すとともに、鳥害対策とした。また、膜面のむくりは外側の円弧材を起こして直線材でつなぐことにより、一次曲げ材と直線材のみで合理的に曲面を作り出し、屋根の薄さを強調するために膜は構造材の下側に張った。
共同設計:Infras 構造設計:樅建築事務所